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セッション
いのちのヴァイオリン  中澤 宗幸 氏
1.主催者あいさつ
2.但馬出身の中澤さん
3.「ヴァイオリン」という楽器
4.「ストラディヴァリウス」について
5.ヴァイオリンとの出会い(生きることと音楽 ①)
6.ヴァイオリンは特別な楽器ではない
7.ヴァイオリン・ドクターへの道
8.被災木でヴァイオリンをつくる(生きることと音楽 ②)
9.ふるさと但馬への思い
2.  但馬出身の中澤さん

さて、本日のスピーカーは、中澤宗幸さんです。中澤さんのご紹介をプロフィールに沿ってさせていただきますと、1940年、兵庫県朝来市生まれのヴァイオリン・ドクター。幼少期にお父様からヴァイオリンを学ばれ、ヨーロッパに留学。その後、1980年に日本に戻られ、現在は東京・信州上田・クレモナ(イタリア)の3カ所に工房をお持ち。手がけられたオールド・バイオリンは2万挺以上、そのうち、ストラディヴァリスは50挺にものぼります。世界中の名だたる演奏者が、名器の修理を、信頼する中澤さんに任せられる。素晴らしいですよね。ちなみに、奥様はヴァイオリニストの中澤きみ子さんでらっしゃいます。

みなさん、はじめまして、中澤です。私の生まれた朝来市は豊岡市みたいに「都会」じゃないんですね、おサルさんが庭の囲いも飛び越えてあちこち走り回る。なんだ、ここにこんな美味しいものがあったのかと、畑のものを食べる。さらには家の中にも入ってきて、炊き立てのご飯を見つける。食べてみると、なにこれ、人間はこんなに美味しいものをたべているのかってことで、いただく。そうなんですよ、私はそんな「田舎」に生まれました。とまあ、冗談はさておき、今日は素敵な場所にお招きいただき、本当にありがとうございます。

最初に皆さまに、僕と中澤さんとの出会いのなれそめについてお話ししなければなりません。
昨年、地元の文化施設にあるピアノ「ベーゼンドルファー」の修復記念のコンサートがありました。そのとき、地元の音楽関係者の方と久しぶりにちょっとお話しました。そこで「但馬出身で世界的に活躍されている素晴らしいヴァイオリン・ドクターがいらっしゃる」ことを教えてもらったんです。

僕はものすごく気になって、月に数回は東京へビジネスで出かけますから、その翌週何のアポもとらず、中澤さんの工房の住所を調べて訪問することにしたのです。今から4ヶ月くらい前のことです。
ふらっと訪ねたところに、運よくちょうど中澤さんがいらっしゃって、ご挨拶することができました。「あのお、僕、但馬からきました」そう言うと、快く迎えてくださった。そして、お話が弾んで、僕は本当に感動して、「中澤さん!ぜひ一度但馬にお越しください!」ということになって、今日に至るのです。

いやあ、本当にびっくりしました。こんな人がいるんですね。厚かましいんですよ(笑い)。こんな人がいるから、豊岡には文化が寄りつく。素晴らしい方です。中田さんとはお会いしてからまだ4ヶ月くらいにしかならないのに、もうずーっと前から知り合いのようなね。そして、豊岡は本当に素晴らしいまちだと思いますね。豊岡のまちには芸術が息づいている。今日はお昼に出石を巡りました、お蕎麦は美味しいし、永楽館は素晴らしかった。まちが呼吸していると感じた。僕の生まれた朝来市に悪いかなあなんてちょっと思いながらもね、僕なんて、朝来市の佐囊高原の下の方で「採れた」んですけれどもね。

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