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何が私を駆り立てるのか?  中貝 宗治 氏(豊岡市長)
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コウノトリのうた

だれかが わたしを よんでいる
だれかが わたしを まっている
わたしのいのちの たんじょうを
まちわびている ひとたちがいる
そんなきもちが つたわってくる・・・


うちゅうに うかぶ あおい ほし
ちきゅうの かたすみ
とよおかに うまれた ちいさな いのち

なえが ゆれる たんぼの まんなか
すっくと たった すの うえで
コウノトリの ヒナが たんじょうしました

おとうさんコウノトリが そらを とんで しらせます
げんきな あかちゃんが うまれたよお
うれしい うれしい うれしいよお!

ちかくを ながれる まるやまがわ
ていぼうを あるく ひとたちが てを ふりながら おいわいします
おめでとう おめでとう おめでとう!

ばんざいする ひと はくしゅする ひと かんぱいする ひと
まちじゅうが おおよろこびです
にほんの あちらこちらから おいわいの ことばも とどきます

でも たった いちわの ヒナが うまれただけで
どうして そんなに よろこぶのでしょう?
それには ふかーい わけが あります


むかし むかし
コウノトリは とよおかの まちが おきにいり
まつの きの てっぺんに すを つくって くらしていました

いちばん すきなのは なんてったって たんぼ!
だって カエルや ナマズや ドジョウや フナ!
みんな ぼくらの だいこうぶつ
かわの あさせも だいすきさ
さかなとりの ライバルは にんげんの こども!

でも なぜか あるとき
みんな いなくなりました・・・

にんげんが なかまを てっぽうで うったよ
にんげんが まつの きを きりたおしたよ
にんげんが ぬまや あさせを うめていったよ
にんげんが のうやくという くすりを つかって
むしや さかなをころしたよ
なかまも くるしんで しんでいった

にんげんの こどもが さけびました
いったい どうして こんなことに
 いったい だれが こんなことを
 カエルも ナマズも ドジョウも フナも いなくなった
 コウノトリも いなくなった
 やがて ぼくたちも いなく なって しまうのだろうか


のうやくを つかわない おいしい おこめを たべたいよ
かわで さかなを とりたいよ
コウノトリと いっしょに くらしたい

そうだ
やまに きを うえよう
たんぼに カエルを とりもどそう
かわに さかなを とりもどそう

ながい ながい じかんを かけて
にんげんたちが きを うえました
にんげんたちが のうやくを つかうのを やめました
にんげんたちが さかなの すめる かわを つくりました
そして ついに コウノトリが かえってきました・・・


すの なかでは おとうさんコウノトリと おかあさんコウノトリ
いっしょうけんめい ヒナを そだてています

あめが つよい ひは おとうさんコウノトリが あめよけに なります
おひさまが つよい ひは
おかあさんコウノトリが ひよけに なります

おなかが すいた? さあ、おたべ
おとうさん こんな ナマズ おおきすぎて たべられないよ

カラスが おそう ヒナをよこせ
トンビが おそう ヒナをよこせ
あっちに いけ!
おかあさんコウノトリが おいはらいます

ちかくを とおる ひとたちは ぬきあし さしあし しのびあし
みんな みてみぬ ふりをして そっと おやこを みまもりつづけます

ちょうちょうが ひらひら もんしろちょうちょう
とんぼが ぷんぷん しおからとんぼ
ゆったり ゆったり たじまうし
ヒナは すくすく そだっていきます

おかあさんコウノトリが はなしかけます
あなたは すっかり おおきくなった
そろそろ すから とびたつときよ

したを のぞくと じめんは はるか そこのそこ
たかいよ たかいよ
こわいよ こわいよ

かぜが ふわっと やってきて
からだが すこし うきました
ふわっ ふわっ
たかいよ たかいよ
こわいよ こわいよ
ふわっ ふわっ ふわっ

どこから きたのか
オオサンショウウオが のっそり のっそり やってきて
コウノトリを みあげて いいました
きみは そらとぶ
ぼくは かわの そこで いきている
でも きみは きみ ぼくは ぼく
さあ そらは はれわたった
とぶのは きみだ
ゆうきを だすんだ

おさない とりは はねを おおきく ひろげ おそるおそる はばたかせます
かるく ジャンプ そっと ジャンプ
こんどは すこし おおきく ジャンプ
もっと おおきく もっと たかく もっと ちからを こめて

13回 ジャンプしたとき 7わの コウノトリが やってきて
すの うえを ゆうぜんと まいました
 おいで いまが そのとき

そうだ おそれることなど なにも ない
いまが そのとき

こころが そらと ひとつに なりました
つばさが かぜに かわりました

その しゅんかん
まっさおな そらを とんでいました
つばさのしたを みどりの たんぼが ながれていきます
みんな そらを みあげています

おとうさんコウノトリも おかあさんコウノトリも やってきました
いっしょに とぶって なんて すてき

コウノトリの おやこは ふわりと たんぼに おりたちました
めのまえに カエル ナマズ ドジョウ フナ!
ヘビだって にょろにょろ
とよおかの まちには いのちが いっぱい

ほら コウノトリが やってきた!
ぼやぼや してると たべられちゃうよ!
ほら にんげんの こどもが やってきた
ぼやぼや してると つかまっちゃうよ!
そら にげろ!

コウノトリが クラッタリング カタカタカタ!
オオサンショウウオが イナバウアー!
みんな つられて うーんと せのび
とよおかの まちには いのちが いっぱい
ここが ぼくらの ふるさとさ




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