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若者を地方に呼ぶ方法  辻 隆 氏
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■若者はシカケで勝負

うちの会社になぜ若い人が集まるのか?それは、地方にはシカケの感覚が少ないからです。シカケはほぼ手付かずと言ってもいいでしょう。スキー場経営者の全国平均は68歳。つまり、20代へのシカケはできません。チグハグなことをしてしまうんですね。20代に新聞広告を打っても見ません。

シカケはいろんな人に言われにくいので、若者がとっつきやすいんです。シクミは経営者や地域との信頼関係が必要です。私たちが入ってシカケとシクミが完成すると、トップが抜け、あとは地元の人がします。地域の若者がそのシクミを使って、経験を持って仕事している人たちに感謝しながら働く形。これが本当の意味での地域の活性化ではないでしょうか。自由と権限はあるので、若者も魅力を感じます。こちらから東京などに行くと、レベルが高くてなかなかうまくいきませんが、東京の人にわからないことがわかる地元の若い人が活躍しやすい形ができます。

■神鍋の魅力とは

最後に、神鍋の魅力ってなんでしょう?

1.  近い。平成28年にインターができて、さらに近くなります。峠もありません。アクセスの良さが最大の魅力です。

2.  天然雪。アジアで天然雪があるのは標高2000m以上のところです。中国には500ほどのスキー場がありますが、すべて人工雪です。これは日本海のおかげです。

3.  安い。これは、バブル時代に設備投資を終えているおかげです。世界一リフトの費用が安いんです。

4.  暖かい。中国で-15℃、カナダで-30℃ぐらいがスキー場の平均気温です。0℃前後で天然雪がある。びっくりされます。

ほかにも、USJ、関空、京都、カニ、牛…と、売り物だらけです。USJに勝てるのは神鍋だけです。若者が来ないわけがありません。

シゴトではなく、シカケ、シクミだからイキイキできます。60代と20代が双方で感謝し合う。こういう活動を、時間をかけてやっています。大ボラを別の人がやってしまうこともあります。神鍋を、地元の方々で儲けられるように、永続できるように。大屋では、「孫に働かせよう、孫を連れて帰ろう」という動きが出てきています。

油断していると、東京に金を持っていかれます。実際、何度も持っていかれた経験もしています。神鍋の皆さんの力で、孫の代につながるような、若者がイキイキ働けるような場所にしていきましょう。

(主催者)ありがとうございました。皆さん、いかがでしたか?声の大きさ、経営戦略、ワクワク感。素敵でしたね。こういう人が近くにいると、私たちもいろいろと一緒にできるような気がします。ウォームハート&クールヘッドという言葉を感じるお話でした。

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