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パスワードを忘れた方
セッション
音楽のちから  碓井 俊樹 氏
<演奏曲>
 1. 『月光』 ベートーヴェン
 2. 『キラキラ星変奏曲』 モーツアルト
 3. 『パープル・ヘイズ』 ジミ・ヘンドリックス
 4. 『フォーレのソナタより3つの楽章』(中澤きみ子さんとの共演)
 5. 『ブリッジ』 坂本龍一
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中澤:こうやって、久しぶりに会っても、すぐに演奏できる碓井君とは、夫婦みたいな感じよね。助け合い運動っていうか。お互いのこと分かるのね。今日のこの会場は、とても湿気があって、演奏しながら、そのことを感じて、私はどんどん弾き方を変えるんですね。スラーを全部切って弾いた方がいいな、とか、全部その場で考えて弾く。その私の弾き方に気がついて、一緒に演奏してくれる人は、相手の考えていることが瞬時に分かる夫婦みたいなものなんですね。

クラシック音楽って、ジャズやロックと比べて、全く固定的でライブ感がない、なんて思われているかもしれませんが、そんなことないんですよ。ね。

あ、私ったら!今日は碓井さんが主役なのに、私ばっかりおしゃべりしちゃダメよね。それともこのままふたりで漫談しましょうか。いえいえ、それでは、碓井さんどうぞ!(笑顔)

碓井:わはは(笑顔)。それでは、最後の曲をお聞きいただく前に、どうしてももう少し、僕の撮った写真を見ていただきたく思います。※シリアの都市ダマスカスの難民キャンプや、ジョージア(旧グルジア表記)、インドでの写真を見ながら、現地で気になったものや、現地の人々との交流、演奏会の様子をお話。

僕が実際にシリアで見たこと、感じたことは、日本の新聞や報道にほとんど載りません。あるいは、全く違う内容として伝えられていることもある。こういうことって、本当にいろんな国を行ったり来たりして初めて「分かる」ことなんですよね。「国際的なセンス」というか。大学では絶対に教えないもの。でも、僕は、とても何より大切なことだと思っています。ジョージアでは、ちょっと調子に乗って、僕のワインをつくってしまいました。先日、そのワインのお披露目を日本でしたりしてね。

ジョージアでは、こんなふうに、最初に会った人との食事のときに、ワインの入ったボトルが客人に渡されます。どのくらいワインを飲んだかで、友達になる深さをはかるというんです。僕ですか?もちろん、僕は飲みほしました。一気にね!そしたら、「お前は友達なんかじゃない、もうファミリーに昇格だよ!」と大歓迎してもらいましたね。

また、最近の僕は、インドによく通っているのですが、どうしてこの場に、日本の大使が来ないのだろうか、と思う場面が多々あります。なぜ、文化的な価値を理解しないのだろうか。国際的な場で、一体、日本の偉い人たちは何を優先しているのだろかと。すでに、日本は国際競争から取り残されてますよ。このままじゃマズイんじゃないのかなあ、と思いますよね。

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