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コウノトリの野生復帰のこれまでとこれから  大迫 義人 氏
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これまで
1. 放鳥開始
2005年9月24日最初の5羽を郷公園から放鳥。2006年には祥雲寺2羽、円山川3羽、六方たんぼ4羽、2007年には楽々浦3羽、国府平野2羽と、各拠点より試験放鳥を始めた。
2. 但馬地域における放鳥の個体数と場所
2005年から以下の4つの方法で放鳥。2013年からは養父市と朝来市からの放鳥も始まった。
① 複数の個体を一斉に放鳥(ハードリリース)
② 放鳥拠点でペアを飼育繁殖させ巣立ちした幼鳥を解放(ソフトリリース1)
③ 放鳥拠点で複数のオスとメスを飼育したのち解放(ソフトリリース2)
④ 野外にオスがいる場合に放鳥拠点でメスを飼育し、仲良くなった頃に解放(ソフトリリース3)
3. モニタリング
発信器を使った衛星追跡のほか、足環による目視確認で野外個体の行動をモニタリングしている。
4. 2016年の繁殖なわばりの分布
本年度は10ペアが営巣、7ペアから16羽が孵化したが、最終的に6ペアから12羽が巣立った。
5. 食性
周年動物食で、魚類・両生類・爬虫類・昆虫類・哺乳類(ハタネズミ)・鳥類(スズメ)など何でも食べる。タニシは食べないようだ。
6. 人為給餌への依存
西公開ケージの給餌に依存する野外個体数の割合は、鳥インフルエンザ対策で公開中止になった2011年1月~3月以降、低下傾向にある。
7. 配偶関係
基本的には一夫一妻であるが、一妻二夫1例、一夫二妻1例、メス・メスカップル3例が観察されている。
8. 他人の子を育ててしまった
ペアのメスが別のオス(ペアのオスの兄弟)と交尾した後産卵し、そのまま孵化して巣立った例が観察された。遺伝子解析により真の親子関係が判明。
9. 近親婚の発生
親子婚2例、兄弟姉妹婚3例が観察されたが、人為的に繁殖阻害を行っている。
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