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環境と経済が共鳴する地域

野生復帰事業を成功させるために経済を味方につけようと策定したのが、環境を良くする取り組みと経済活動が刺激し合いながら高まっていく「環境経済戦略」です。
豊岡市の環境経済事業には、利益を追求する事業により環境が改善される事業(農業を除く)65事業が認定されています。売り上げ規模は69億円です。

農業も、環境創造型農業への取り組みを進めています。コウノトリ育むお米の最大の消費地は、沖縄。綾町有機農業大会やシンポジウムで出会った沖縄最大の流通事業者、サンエーの社長によって販売が開始されました。
2012年に参加した日本食レストランエキスポでは、ニューヨークの「ブラッシュストローク」という日本食レストランに繋いでくれる人がいて、コウノトリ米の発注をいただきました。そのほか、香港、ドバイ、シンガポール、オーストラリアにも輸出されています。コウノトリの取り組みに共感した人が売り込んでくれた結果です。

コウノトリ野生復帰の原動力は、「共感の連鎖」と「そそのかしのバトンリレー」です。ジャーナリストのアラン・ワイズマンは、著書『滅亡へのカウントダウン』のなかでコウノトリの野生復帰の取り組みを紹介し、「本書のなかで最も希望の持てる物語である」と語っています。この物語を聞きたいと、市長や職員が世界各国に招かれています。

今年の8月にイギリスで開かれるバードフェア2018にも出展することになりました。ラン・レヴィ・ヤマモリさん制作のドキュメンタリー『KOUNOTORI』をバードフェアの会長が鑑賞され、世界に紹介したいと出展を打診してこられたのがきっかけでした。まさに共感の連鎖です。
松島興治郎さんは、「昔は川の水より魚の方が多かった」とおっしゃっていました。この世界を取り戻すのが次の目標です。コウノトリの生息地としてのポテンシャルを地図に落とした生息適地マップを作りました。これからは、ポテンシャルBランク、つまり中程度のエリアに力を注いでいきます。

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