TAJIMA
CONNECTION
パスワードを忘れた方
セッション
発掘だけが考古学じゃあないんですよ!  潮崎 誠 氏
1.主催者あいさつ
2.遺跡の上に生まれ落ちた宿命の「眼」
3.私の職場
4.考古学の眼で見る縄文土器の美しさ
5.古代の「地場産業」に見るものづくりの精神
6.考古学の眼で「出石焼」の過去と現在をつなぐ
3.  私の職場

今日(祝日)も昼間は職場に出ていましたので、職場の二階から写真を撮ってきました。赤い鳥居が見えるのは、お菓子の神様タジマモリをまつる中嶋神社です。「豊岡市立出土文化財管理センター」が正式な名前ですが、市民の方もどこにあるか分からない場所にあります。合併を機に、従来はあった展示をやめて、発掘と発掘したものの管理・保存のためだけの施設としましたから、積極的に来ていただく施設でもなくなりました。お客様に来ていただくことには対応していません。その施設で、この作業室の風景のように、土器の復元や図面とりなどを行っています。大変根気のいる作業です。

この部屋には、出土した場所ごとに土器の破片を入れた箱を積み上げて保存してあります。このような箱が大量にありまして、今では、何が入っているのかを記憶し、どのへんにあるか把握しているのは私くらいになっています。

デスク周りの環境はあんまり見せたくないのですが、これが私が普段の事務を行う場所です。もともと写真の暗室用につくられた窓もない小さなスペースを私の事務スペースにしたものです。狭くて暗くて(地中深いところにいるようで)妙に落ち着きます。
パソコンがたくさん並んでますが、左端のパソコンが市の備品(これでは仕事にならないんですね)でメールの確認にだけ使います。もっぱら使うのは、中央の二つのパソコンです。私がポケットマネーで買って持ち込んでいるものです。右のパソコンにはフォトショップ、左のパソコンにはイラストレーターが入っていて、同時にそのソフトを使って、土器のデータを作成したりします。二つのパソコンは画面上でつながっていますから、思うようにさくさく作業ができる。こういう職場環境を自分でつくってしまうところなども、マニアックな人間のやることにちがいないと言われております。

© TAJIMA CONNECTION