セッション
|
人と人、人とモノを繋げる 甲斐 みのり 氏(文筆家)
5. 現代らしいお菓子の楽しみ方
日本のいろんなお菓子を知り歴史に触れていると、昔の日本人はお菓子にいろんな思いを込めてきたことを知ることができます。ときにはダジャレのように、言葉(音)に魂を込めて、お菓子に意味を持たせるのですね。それは、季節の移り変わりを愛でることだったり、人生の節目における願いだったりします。 お菓子に込められた伝統の意味をなぞるだけでなく、新しい感性でお菓子にいろんな思いを込めて現代的に楽しもうとする創作和菓子ユニットが京都におられます。「日菓」さんです。ギャラリーやイベント、時には落語会などで、アート作品のような和菓子を出品されています。現代のお菓子の幸福な楽しみ方の一つの形を提示し続ける日菓さん、これからもますます目が離せません。 個人的に、今の風潮を変えていきたいなあ、もっと新しいお菓子の楽しみ方が提案できるはずだ!と思っていることがあります。バレンタインデーです。 また、お菓子を食べて楽しむのではなく、テキストで楽しむこともやっていきたいなあと思っています。少し前に「甘いノスタルジア」という展示を企画したことがあります。お菓子そのものを展示するのではなく、お菓子にまつわる甘い記憶や物語を選んで編集して見せたのです。子どもの頃のおやつに対する甘い記憶、小説や映画などに登場する憧れのお菓子、作家が愛したおやつ・・・。物語に描かれたお菓子を通して、懐かしい過ぎ去りしあの日を思い出してもらい、ひとときの甘美な時間をすごしていただきたい。そんな企画でした。 というように、私の人生はお菓子!お菓子!お菓子! 少しでも気になるお菓子があったら、その土地に足を運んで実際に購入して食べてみなければ気がすみません。それで必然的に家にたくさんのお菓子がたまることになります。 |