セッション
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歌舞伎の魅力 水口 一夫 氏
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冒頭にちょっとお話した、福井県坂井氏丸岡町での取り組み、面白いんですよ。この丸岡町は、昭和 23 年の大地震で丸焼けになったまちなんですが、丸岡城には現存する日本最古の天守閣が残っていたりしてね、今も手紙を書くときに「一筆啓上」なんてやったりするような、面白味のあるまちです。
そうして、大きな立派な破風を平成 12 年に譲り受けて、丸岡町の磯部小学校の体育館(ちょうど使っていない大きな体育館があったんです)の舞台に復元しました。体育館の中に破風を設置しましたのでね、中に入って見てもらわなくちゃ、立派な破風が人の目に留まることがない。そこで、「まるおか子供歌舞伎」が誕生するんです。 但馬の関宮町にある葛畑(かずらはた)に関わりだしたのは、いまから 13 年くらい前のことです。葛畑にある農村歌舞伎舞台は、国宝級の舞台です。それなのに、その屋根を葺き替えるお金がない。市も国も葺き替えのお金を出してくれない。地元の人たちが、地域の文化として歌舞伎を復活させるのなら、葺き替えのお金をだしてやろう、ということで、地域の人たちが復活を決めたんです。葛畑は上方歌舞伎の流れをくんでいます。 → 次のページ
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