セッション
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いのちのヴァイオリン 中澤 宗幸 氏
9. ふるさと但馬への思い
ああ、もう僕は何にもこれ以上お聞きすることはありません。今の中澤さんのお話がすべてだと思います。 あの震災によって、私たちはもう一度「生きる」ということが何か、見つめなおす時なのだと思います。今まで快楽的に享受してきた消費文化のツケかもしれない。地球がちょっと身震いしただけで、あんなことになるんですからね。自然への思いをもう一度思い出さなくちゃなりません。 生きていれば、忘れなければつらすぎることだっていっぱいあります。けれども、忘れてはいけないことも絶対にある。だから、僕は、津波ヴァイオリンの取り組みを、世界に広めたいと思ったのです。日本から発信したいと。
ともかく、大ホールに演奏家が待ち構えていて、お客様に来ていただく従来の演奏スタイルは古いと思っています。これからは、演奏家がどんどん出かけていく、出前のようにね。あらゆるところで、いくつもいくつも、演奏会がある、身近なところで音楽が愛されている。そういう風景が、未来の私たちと音楽の幸福なあり方なのではないかと思っています。 |